後ろ姿に恋してる
3
『好きよ。誰よりも愛してるー…』
「っ…!!」
今日も頭に響く声に目が覚めた。
「ん、…ユイ。お前何で泣いてるんだよ」
あんな真っ白い部屋に一人でいて
俺を待ってるって言うのか?
「……ユイ、俺はどっちを取ればいいんだろうな?」
「なぁ~ん」
鳴きながら猫のユイは俺に擦りよってくる。
「好きだよ。ユイもハルも」
でも、似ていないようで似ているあの二人を俺は傷つけてるんだ。
「……いっそのこと迎えにきてくれ」
嘲笑って俺を地獄に落として欲しい。