後ろ姿に恋してる
「…俺が、悪かったんです」
「あの子が決めたことには変わりないのよ?
貴亮君との道を選んだこと」
「…でも、」
「…もういいのよ」
唯のお母さんは目を伏せて俺の手を掴んだ。
「もう責めないであげて」
あなたも唯も、誰も悪くないの
その手は震えていて、この人を苦しめているのは俺なのかと、
俺が前を向かないからこの人を苦しめているんだと。
唯に聞けるのなら聞いてみたい。
俺との道を選んで幸せだったかと。