後ろ姿に恋してる

『好きよ…。でも傷つけてごめんね』

ゆっくりと微笑んで、カーテンの向こうに消えていく。

……ど、どういうことだよ…
待てよ、お前何でここに居るんだよっ

「……ゆい…っ!!」

伸ばした手は後一歩のところで届かない。

『……もう大丈夫よ』

その言葉で跡形もなくユイの姿は見えなくなった。
………いや、淡い光となって消えた…と言うべきか。


「……にゃあ」

寂しそうにユイがすり寄ってきた。


「…そっか。おまえには見えてたのか」

猫のユイには唯の姿が映っていたんだ。


動物には死者が見えると言う。


「…ずっと側にいたんだ」

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