花かんろ
第一章
三月
お兄ちゃん・・・大好きなお兄ちゃん・・・。
私の大好きなお兄ちゃん・・・。
o゚*o゚*o゚*○o゚*o゚*o゚*●o゚*o゚*o゚*
「えっ!?いつ!!?」
あれは風が冷たい三月の始め。
私の家に一本の電話が来た。
電話の内容はと言うと
慎一兄ちゃんが、四月から私が通う中学の教員として、採用されたとの事だった。
受話器を置いて暖かい居間に戻り、コタツに入るホクホク顔の母を見て、私も母以上に喜んでしまっていた。
「それで?お兄ちゃんはいつこっちに来るの?住む場所は?挨拶に来るの?お迎えは??」
「んー。まだ決まってないってー。楽しみよねぇ!あの慎一君だもんね!どんなイケメンになって私に会いに来てくれるのかしら!」
「ちょっとーお母さんはしゃぎ過ぎー」
「お母さん、ジャニーズも良いけど瀬戸康史君みたいなのもいける口なの。意外に伊藤英明タイプもばっち来いなんだから!」
「お母さんの好み聞いてないからー」
慎一兄ちゃんは、本当のお兄ちゃんじゃない。
こう書くと語弊があるけれど、親戚のお兄ちゃんなだけなんだけど。
真面目で、礼儀正しくて、優しくて、それでいて楽しいお兄ちゃんで、我が一族のアイドルの様な存在
私の15歳年上なの。
私が14歳だから29歳。
ものごころ付いていたときから、お兄ちゃんは【お兄ちゃん】で、おじさんと呼ばれ始めてもお兄ちゃんは私にとっては【お兄ちゃん】なのだ。
一人っ子の私を小さい頃から嫌な顔一つせずに面倒を見てくれて、いつでも可愛い可愛いと、褒めてくれるお兄ちゃんが、お母さんが思うよりずっと私の方が大好きなんだ。
都会の大学へ受験して、教員免許を取得して・・・その頃からお兄ちゃんはあまり顔を出さなくなっていた。
【忙しい人だからなるべく連絡はしないこと】
大好きな慎一兄ちゃんを困らせない、我が家の家訓のようなものだ。
お兄ちゃん・・・大好きなお兄ちゃん・・・。
私の大好きなお兄ちゃん・・・。
o゚*o゚*o゚*○o゚*o゚*o゚*●o゚*o゚*o゚*
「えっ!?いつ!!?」
あれは風が冷たい三月の始め。
私の家に一本の電話が来た。
電話の内容はと言うと
慎一兄ちゃんが、四月から私が通う中学の教員として、採用されたとの事だった。
受話器を置いて暖かい居間に戻り、コタツに入るホクホク顔の母を見て、私も母以上に喜んでしまっていた。
「それで?お兄ちゃんはいつこっちに来るの?住む場所は?挨拶に来るの?お迎えは??」
「んー。まだ決まってないってー。楽しみよねぇ!あの慎一君だもんね!どんなイケメンになって私に会いに来てくれるのかしら!」
「ちょっとーお母さんはしゃぎ過ぎー」
「お母さん、ジャニーズも良いけど瀬戸康史君みたいなのもいける口なの。意外に伊藤英明タイプもばっち来いなんだから!」
「お母さんの好み聞いてないからー」
慎一兄ちゃんは、本当のお兄ちゃんじゃない。
こう書くと語弊があるけれど、親戚のお兄ちゃんなだけなんだけど。
真面目で、礼儀正しくて、優しくて、それでいて楽しいお兄ちゃんで、我が一族のアイドルの様な存在
私の15歳年上なの。
私が14歳だから29歳。
ものごころ付いていたときから、お兄ちゃんは【お兄ちゃん】で、おじさんと呼ばれ始めてもお兄ちゃんは私にとっては【お兄ちゃん】なのだ。
一人っ子の私を小さい頃から嫌な顔一つせずに面倒を見てくれて、いつでも可愛い可愛いと、褒めてくれるお兄ちゃんが、お母さんが思うよりずっと私の方が大好きなんだ。
都会の大学へ受験して、教員免許を取得して・・・その頃からお兄ちゃんはあまり顔を出さなくなっていた。
【忙しい人だからなるべく連絡はしないこと】
大好きな慎一兄ちゃんを困らせない、我が家の家訓のようなものだ。