Märchen Dinner Time

男とテレサとリックは毎日遊んだ。



男が笑うとテレサが微笑み



テレサが微笑むとリックは俯いた。



リックが俯くと男は愛を与えた。



テレサもその愛の様子を見て更に微笑んだ。



男の愛は彼の性格同様、とても歪だった・・・。




『リックは俺が嫌いなのかな。』


『…そんなこと、ないです』


『じゃあ俺が笑ったら一緒に笑おうよ。』


『…はい。』


『・・・笑えてないよ。』


『…』


『笑えてないよ?』


『ごめんなさ『笑ってよ』


『頑張って、リック。出来るでしょう?お姉ちゃんもぼっちゃまもリックが大好きよ』


『…『笑ってよ』


『…は『笑えっつってんだろぉおおおおおおおおお!!!!!!』




男とテレサは毎日のようにリックに愛を与えた。




リックはその内に感情が消え、操り人形のようになっていった。









男が笑うとテレサが微笑む


テレサが微笑むとリックが微笑む


リックが微笑むと男も幸福な気持ちになった。
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