Märchen Dinner Time
紅い頭巾の少女は、ジェシカの背中めがけて鉈を振り投げた。
鉈は起動を僅かに逸れて木の皮を削り取りながら森の終わりに飛んで行った。
木の破片がいくつか頬などに当たったが、ジェシカは一向に気に留めて居ないようだった。
― 森は急に開け、広い広い海が見えた。
『うふ…、ねえジェシカぁ…。もう、追いかけっこは終わりみたいね?ねえ、ジェシカぁ・・・。いいでしょう?本当にちょっとだけ…、私、とってもお料理に自信があるのよ?本当なんだから…うふ、うふふッ…』
『…』
ジェシカは少女を振り返り森の終わりの崖へとたじろいだ。