いけにえ系男子【BL】
例えちょっと優しい奴が隣に居たとしても。
やっぱり無理だ。
無理がありますよ総長!
勝手に浮かんでくる涙に、俺はギュッと目を瞑った。
そうしても目頭から溢れて全体に行き渡るだけで、余計に視界は濁った。
そうなった原因は、今この場で総長と呼ばれている、向こうのチームの総長が来たからだ。
それだけで、ただでさえ震えて号泣寸前だったのに、
「お前がアイツの女か」
そう言って近づいてきた敵対チームの総長・略して敵総長(名前など知らぬ)が、俺の頭を覆うフードを取り去ろうとしている。
絶対すぐバレルに決まってる!
もう足とかガックガクだ。
また倒れそうになり、思わず隣に立っていた黄色頭の服を握ってしまう。