まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
「遠慮しないでー
ほら、口開けて下さい♪」
それはもう嬉しそうにずいずいってフォークを近づけるなぎさ。
心の中ではすでにS心が芽生えていた。
しかしそんななぎさを要がむげに出来るはずもなく。
いや、でも男たるものこの行為は…
と1人究極の選択に迫られていた。
「食べて、くれないんですか?」
しゅん…と寂しそうにフォークに刺さったケーキを降ろしかけた。
次の瞬間
あたしの腕を掴み自ら口にケーキを運んだ先輩。
…ふぇぇっっ!?
自分でやり始めたのに恥ずかしさで固まる。
だだだだってまさか腕を掴まれるなんて思わないじゃーん!
飲み込んだ先輩が口を開く。
「うまい、サンキューな。」
先輩が自分で用意して
自分で食べたんじゃん。
ただ、あたしの手からだっただけじゃん。
なのに…
こんなに恥ずかしい。
こんなににやけちゃう。