まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
4
大丈夫、大丈夫。
昨日決めたから。
今隣にいる先輩に伝えられる。
でもね。
隣を歩く先輩の横顔を見る度に泣きたくなるよ。
あれだけ流したのに…。
学校の帰り道。
今日、あたしは先輩に別れを告げる。
自然に握ってくれる…
この手を離すんだ。
先輩は優しい人だから。
天然なくせに鋭いから。
今日はそれ以上のあたしを作らないと。
でも最後に…
あの温もりが欲しい…。
大好きな先輩に抱きしめて欲しい。
ピタッ…
急に立ち止まる先輩。
「どうしたの…?」
「今日、俺の家にくるか?」
あたしの方を向いて優しく問う先輩。
やめて、離れられなくなる。
もう、傷つくのはやだ。