まっすぐなキミにまっすぐな愛を。




あたし、走るの得意なの。


普段なら多分涼ちゃんには叶わないけど気が動転してたんだろーなぁ…。



しばらく追いかけられてたけど、途中でぷつりと途絶えた。




「ふ…ぅっ…」




結局あたしには友達はいなくて。



なんて惨め。



長年一緒にいた親友だと思ってた2人はただ親の言いつけでいただけだったなんて。



縛ってたんだね。



本当にごめんなさい。




…恨んじゃうあたしって最低だ。




無理矢理でも、あんなに良くしてくれたのに。



心底あたしが憎い。





全速力で走ったから案外早く駅に着いた。



…行くんだ、あの家に。



涙、とめなきゃ。





道行く人の好奇の視線に耐えながら化粧室に入りバッチリメイクを直した。



あぁ、手が震える。



三駅先なんて早く着くのに。




どーしようもなく長い距離に感じた。




早く着きたいみたいじゃん。



変なの、あたし。





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