まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
ダメだ。
またたくさん思い出しちゃった。
目の前に座っている葉子さんはずっと押し黙っている。
この空気、嫌…。
「ぁの…お手洗い、借ります…。」
そう言って立ち上がる。
襖を開けてトイレを目指した。
一度落ち着きたい。
1人になりたかった。
何年も暮らした家、
迷わずにまっすぐに向かう。
「はぁ…」
扉を閉めてやっと一息付けた。
何なの?
話があるから来たのに…
何も話そうとしない。
しばらく壁に体重を預けて混乱した頭を沈めていた。
早く戻らなきゃ…。
意を決して、出ようとドアを開けた。
…そして、ちょうど通りかかった人物とバッチリ、目があった。
「なぎ、ちゃん…。」
小さな声であたしの名前を呼んだ従兄弟。
仲が良かった、あたしの大事だった人。