まっすぐなキミにまっすぐな愛を。



なぎside




4人の目は涙で濡れていて。



すでに日は落ち、急いだ義人が帰宅したのが少し前、もう夕飯時となっていた



ソファーの上でこじんまりと身を小さくし膝を抱えて泣くなぎさ。




3人は必死に、謝罪の言葉を口にする。



号泣している葉子を義人が支え、少し離れて座った稀衣夜は後悔に顔を歪めた。







…はじめて、はじめて2人の気持ちを聞いた。




そんなこと思ってたなんて。




確かに、行事の日にはいつもあたしはいなくて。



もしかして葉子さんはそれを寂しく思ってくれてた?




稀衣夜くんが荒れたのはあたしのせいじゃなかったの?



いや、結局あたしが来たからだよね…。






じゃあ義人さんは。




あたしに幸せになってはいけないといったあなたは。




今なにを思ってるんでしょうか。






なぎさの涙は悲しみからでは無かった。



確かに過去を思い出しているのもあるが、



…少しでも、この家で自分が認められたような気がして。




最近ことごとく傷つき弱っていたなぎさ、嬉しさで涙が溢れてとめられなかった。




そんな中、葉子を宥めている義人がどうも気になる。





"あの人"、ワタシの伯父さん。



あの言葉を口にしたのは義(ヨシ)伯父さんだった。



まだ、あの人の口から何も聞いていない。




< 172 / 387 >

この作品をシェア

pagetop