まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
なぎside
4人の目は涙で濡れていて。
すでに日は落ち、急いだ義人が帰宅したのが少し前、もう夕飯時となっていた
ソファーの上でこじんまりと身を小さくし膝を抱えて泣くなぎさ。
3人は必死に、謝罪の言葉を口にする。
号泣している葉子を義人が支え、少し離れて座った稀衣夜は後悔に顔を歪めた。
…はじめて、はじめて2人の気持ちを聞いた。
そんなこと思ってたなんて。
確かに、行事の日にはいつもあたしはいなくて。
もしかして葉子さんはそれを寂しく思ってくれてた?
稀衣夜くんが荒れたのはあたしのせいじゃなかったの?
いや、結局あたしが来たからだよね…。
じゃあ義人さんは。
あたしに幸せになってはいけないといったあなたは。
今なにを思ってるんでしょうか。
なぎさの涙は悲しみからでは無かった。
確かに過去を思い出しているのもあるが、
…少しでも、この家で自分が認められたような気がして。
最近ことごとく傷つき弱っていたなぎさ、嬉しさで涙が溢れてとめられなかった。
そんな中、葉子を宥めている義人がどうも気になる。
"あの人"、ワタシの伯父さん。
あの言葉を口にしたのは義(ヨシ)伯父さんだった。
まだ、あの人の口から何も聞いていない。