まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
…やっぱり、ダメなんかな。
「…なぎさちゃん。」
急に声をかけられて反射的に身体を堅くした。
「…いつでも、この家に帰っておいで。」
…え?
「おい、まずは謝れよ。」
また不機嫌そうな稀衣夜くん。
…て、え?
かえって、おいでって…?
「すまない。
心無い言葉でたくさん傷つけた。
キミは私たちの娘だから。
何かあったらいいなさい、力になる。」
…初めて、この家に安心感を覚えた瞬間だった。
最愛の3人を失って。
もうどうでもいいって、思ってたけど。
今はそれを忘れられるくらいに嬉しいよ。
お母さん。
あたし、家族になれた。
昔みたいに…仲良しに戻れたよ。
「来ます、たくさん…」
「こんな親でごめんな、なぎちゃん。」
稀衣夜くんの言葉に2人は不服そう。
いつか、何の気も使わないような関係になれたらいいな。