まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
まだ明るいい街の中を稀衣夜くんと並んで歩く。
もう寒いなぁ。
カーディガン、着てなかった時期が懐かしい。
まだ、先輩と付き合う前だった。
こんな想いするなら先輩…
好きになりたくなかった。
あんな想いをさせるなら
付き合わなければ良かった。
確かにそう思うけど…
後悔したら先輩に失礼だ。
早くふっきれたいな。
「彼女さん名前は?」
「んー、佐友紀。
佐友紀の親友が、俺の幼なじみの彼女。」
「へぇ…いつか会ってみたいな。」
本心からそう言ったけど。
あぁ、言葉が堅くなり過ぎちゃった。
"親友"と"幼なじみ"
その言葉が妙に胸に痛くて。
勘のいい稀衣夜くんには簡単に気づかれてしまう。