まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
「…なぎち「稀衣夜くん。」
あえて遮って話し出した。
だって、聞くつもりだったでしょ?
気づけばもう家の近くの住宅街。
立ち止まって無理に明るい声を出す。
「あたし…大丈夫だから。」
そう言って家までの残りの距離を駆け出した。
「え、はっ?」
当たり前に稀衣夜くんは追いかけてきて。
でも、それでいい。
聞くすきは与えない。
「送ってくれてありがと!
よろしく、…おにいさーん!笑」
それを最後に、近くまで来た稀衣夜くんを振り払いエントランスに飛び込んだ。
ごめん、話せない。
今は…
1人で泣きたいんです。
2人のこと思い出して
また、耐えられなくなっちゃった。
何年も一緒にいたのにね。
1日で、壊れちゃった。