まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
どれくらいたったかな。
いや…実際は数十秒か。
気づけばあたしの目の前に先輩がしゃがんで影になっていた。
それでも先輩の顔が見れなくて。
ダメじゃん、あたし。
あんなにしっかりふったのに。
ちゃんと演じれたのに。
こんなんじゃ…ダメなのに。
「な、ぎさ…」
先輩の低くてかすれた声。
ダメだよ、好きって気持ちが溢れ出しそう。
いつもよりずっと切なくて甘い
寂しそうな、弱々しい声。
ダメ…あたし先輩を傷つけたんだから…。
「俺のこと、嫌いか…?」
そんな質問反則でしょ?
嫌いなわけ無いじゃん…
あ、あたし嫌いって言ったんだっけ。
答えられない。
ずっと黙ったままのあたしに尚も先輩は話しかけてくる。
「なぎさ…
少しでも、俺が好きだったら
俺のそばに…いてくれ…。
頼む、なぎさ…。」