まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
「昨日…解散した後麻美だけどっか行ったから、気になってあと追ったわけです。
したら…墓地について、麻美はどっかを見て泣きそうになってて…
声かけたら引っ張られて墓地から離されて、俯いたまま一言ケイさん…って言って…
そのあとは追ってきたこと怒られながら家まで送って別れました。
墓にいたのがケイって人なのかと思って、聞いたんですけど…
なんかマズいこと言ったらすみませんした。」
…麻美がお墓に?
どうしてお母さんのお墓なんか…。
田辺皐月、悪い人じゃないね。
麻美のこと心配してくれてただけか。
「…さっきは取り乱してごめん。
恵って言うのは…あたしのお母さん。
3年前に死んでる。」
なんか、悪いことしちゃったかな。
あたしの言葉を聞くと田辺皐月は真っ青になった。
「わ、悪い…!
全然知らなくて、辻さんに聞いちまって…。
本当に、悪かった…。」
「うん…いいから。
ありがとう、麻美のこと心配してくれて。
何でお墓に行ったのかあたしにはわかんないや。」
「だよな…。
マジで、ごめん。」
その後何度も謝り続けた田辺皐月。
先輩はまだ心配そうだったけど
初めて
涼ちゃん以外の男子を友達と信用した瞬間だった。
…あ、弗宇田くんは例外、ね。