まっすぐなキミにまっすぐな愛を。



冷たい手の感触を感じて出せる限り特大の叫び声を1つ。



「ーーーー!!

いやっ!ごめんなさい!
何もしないから帰らせて下さい!!

南無阿弥陀ー…成仏してぇ!」



無我夢中で足をばたつかせるけど力が強くて一向に前に進ない。





「ちょ、まて、辻!
俺だ、2年3組の立石だ!」




「い゛やぁー…!

先輩は死んでないです!
偽物ですか?

あたしはだまされませぇん!」



あぁ、もうやだ。

このまま離されないで殺されるの…!?


そんなの嫌だぁ!!!




「落ち着け、俺は幽霊じゃないっ
よくみろ、辻!」



そう聞こえたかと思うと無理矢理身体を反転させられて暖かい感触。



ゆ、幽霊に抱きしめられ…
あれ?幽霊って温かいっけ。


つか、身体すり抜けるんじゃないの!?




…そぉ…っと上を見上げるとだいぶ高いところに見知った顔が。




ふっと抵抗をやめたあたしに気づいたらしく目を合わせて柔らかく笑った。



「…大丈夫か?

恐がらせて悪かった…。」




あぁ、あたしのバカ。

先輩に取り返しのつかないことを…!





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