まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
要side
なんで…電話でねーんだよ…
俺の手からすり抜けていったなぎさ。
掴んだ腕を振り払われて。
挙げ句の果てに階段駆け降りてったから…
避けられてんのかな、俺。
少なからず傷ついた自分がいて、気がついたらなぎさを置いて歩き出してた。
普段の俺なら絶対にしない。
自己嫌悪。
「はぁ…。」
繋がらないケータイを機械的にずっとかけ続けて、追いかけられなかった足を曲げてしゃがみこんだ。
なんで怒っちまったんだろ。
なんで今俺は
あいつを追いかけてないんだろ?
あんなにキレたなぎさは初めて見た。