まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
「はいっなぎさちゃん!!要くん!」
やっとおせちを食べ終わった義さんの隣の葉子ちゃんが差し出した小さな2つの袋。
「…お年玉…。」
去年まではお正月は麻美か涼ちゃんの家に行ってたから、だいぶ久しい2人からのお年玉。
麻美達の両親からのお年玉は毎年用意してくれたけど頑なに受け取らなかった。
「…っ、ありがとう…葉子ちゃん!」
なんかマジ泣きそう。
「え…俺は受け取れないっす…」
「いいのよー、もう用意しちゃったし!」
「あ、ありがとうございます…」
「つーか俺のはぁ!?」
渋々受け取った先輩。
本当に嬉しい…。
葉子ちゃん、やっぱりすごくすごく良い人…。
「葉子ちゃんっ大好き!」
「……!!私も…!」
葉子ちゃんに飛びついて抱き合った。
あたし…
この人達と家族になれて、本当に良かった…。
「だから俺の!?」
「ほら、稀衣夜。」
中身は……あたし達3人一緒の額だった。
年で差別されなくて安心。
すごく、泣きそうになったお正月。
家族の温かさが染み渡った。