まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
踏み出す一歩に現実の歯がゆさを。
その次の日、朝登校中にぎゅっと強く握ってきた時の切なさは忘れられない。
小さくて、儚くて
離れていかないでって
言ってるみたいだった。
その日からというもの、俺は可能な限り必ずなぎさに会いに行った。
朝も、昼休みも、部活に行く前も、部活後も。
なぎさの傍にいてやりたくて。
悲しい想いをさせたくなくて。
でもなぎさが何を思っているかはわからない。
あの夜から、なぎさはあのことについて何も話さなくなったから。
学校でのなぎさは…
恐いくらいにいつも通りで。
家では、前のようにあまりくっついてこなくなったけど。
それでもしつこいくらいに会いに行く俺を笑って受け入れてくれた。
その笑顔が
仮面に見えて
そのたびに抱きしめたくなり、ごまかす。
そんな数日が続く。