まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
「おー、期間限定のポッキーおいしいっ!
みんなも食べるー?」
「お、マジで?ちょーだい!」
「皐月にあげる分はないから…。」
あの日からちょうど一週間。
相変わらずなぎさは田辺をからかってふざけている。
…俺的にはあまり他のやつと仲良くされるのは嫌だけど。
今、なぎさのそんなことを言おうとは思わない。
放課後、今日は部活が休みだからなぎさを迎えに来た。
「先輩ーはい、ポッキー。」
「…あ?あぁ。」
口に入れられたらピンク色のポッキーは甘酸っぱいイチゴ味。
にひっと笑って美味しいでしょ?と言うなぎさを見て、なんだか泣きそうになった。
しばらく、なぎさの本当の笑顔を見ていない。
こいつは…
どれだけ苦しまないと行けないんだ?
「なぎさ、帰るぞ。」
「う、うん?ばいばーい!」
慌てる手を引いて教室を出た。
俺がツラいと思ったらダメだ。
一番ツラいのは…なぎさなんだから。