まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
「おっはー!」
「あ、皐月。おはよー。」
ードクンッ
力無く自分の机に伏せていると元気な皐月と麻美の声が聞こえた。
…やば。皐月の顔、見れない。
「…ちょーっと、麻美来て!」
いきなり立ち上がって、涼ちゃんの机のそばにいた麻美の腕を引っ張って教室を出る。
「…は、なぎさ?」
「え…?……行ってきます!」
麻美が何かを察してくれたのか素直に着いてきたのが幸い。
背中越しにまた皐月の声が聞こえて泣きそうになってたから。
しばらく無言で歩いてついたのは、いつか先輩と話した非常階段。
ここなら人も来ない…。
「なぎさ、大丈夫…?なにかあったの?」
覗き込んだ麻美はハッと息をのんだ。
目にたくさん浮かべた涙は、すぐに零れ落ちてしまいそうだった。