まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
「バカじゃないの?!皐月は悪くないよ?だけどなぎさも何にも悪くないの!!」
叩かれた衝撃で近くの壁に寄っ掛かったまま麻美の声を聴く。
「でも…あたしが……っ」
「…だからぁ!自分を責めないでよ!!なぎさは1人で抱え過ぎなの、あたしらはもっと頼って欲しいの!立石先輩だって、あたしだって涼雅だって…みんななぎさが大好きなの!!
なぎさは1人じゃないの…!」
あの涼ちゃんの公開プロポーズの時と同じくらいに悲痛な麻美の叫びに呆然とした。
「あたしは…あの日立石先輩を呼びに行くことくらいしか出来なくて、ただ傍にいるだけだけど…それでも、」
体制を崩していたあたしの両肩を正面から掴む。
あたしの目を見て、必死に伝えようとしてきてくれてる。
「あたしら、親友でしょ…!?」
…ごめん、麻美。
「……うん、親友……。
ありがとう…っ!」
小学校以来の親友の言葉が、あたしの複雑に絡まった心の紐を解いてくれた。