まっすぐなキミにまっすぐな愛を。



「うぅ…寒い。」



カーディガン教室に取りに行けば良かった。

肌寒い風が吹き抜けて身震いする。



むぅ…
先輩に出来ること…
出来ること…



「あぁー!

全っ然思いつかないっ!」


頭が回らずに嫌になって

いきなり大声を出す。




「ど、どうした…?」



「ぅわっ!先輩…
早いですね…っ!」


突如後ろからかけられた声。


最近先輩にびっくりさせられてばっかだ…。


あー色気ない叫び。

あたしゃ自分が悲しくなるよ…。




「あぁ、辻を長く待たせるわけに行かないからな。

帰ろう。」



そう言って座ってるあたしの正面にまわって手を差し出してくれた。


や、優しい…っ


紳士だ。

涼ちゃんみたい。





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