まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
「…冗談…でしょ…?」
やめてよ。
変なウソを言うのは。
「冗談なんかじゃない…。
なぎさと話すようになった時からずっと気になってて…
先輩と話すてんのも
ノロケてる姿も
すげー可愛くて
すげーツラかった……っ」
唇をギュッとかむ皐月の姿が
痛くて
痛くて
思わずうつむく。
これがジョークじゃないことなんてわかってた。
最初に皐月の目に見つめられた時から。
ただ、認めたくない。
友達という大事な存在の皐月を失いたくなくて…。
「…今の、聞かなかったことにするから…!」
目を固く閉じ、その事実から顔を背けた。
あんなことをしてしまった自分を呪いたい。
明らかに傷ついた皐月は
とっさにダッと駆け出した。
薄汚れた白線を踏みしめながら。