まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
まっすぐのキミはまっすぐに愛を。
手術室に運び込まれてから一時間。
近くの席に座り込んで両手を堅く握りしめていた。
顔を上げると目に入る赤いランプが苦しくて…。
そんなとき、バタバタと足音が聞こえてきた。
「…皐月は…っ!?」
来たのは、制服姿の涼ちゃんと麻美と弗宇田くん。
部活終わりの先輩と…知らない人が2人。
「なぎさっ!!何があったんだ?」
肩を揺らして涼ちゃんが聞く。
「あ、たし…あたし…」
「涼雅!」
麻美が急いで涼ちゃんをあたしから引き離した。
「大丈夫か…?」
みんな心配してくれるけど、何があったか聞きたいはずなのに…。
きっと、あの人達は…
「初めまして…皐月の母の実里(みさと)です。」
「皐月の父親の…
田辺龍月です。」
やっぱり皐月のご両親…
って……あぁ…。
やっぱり、あたしのお父さん…。