まっすぐなキミにまっすぐな愛を。








恐いけど


手が震えてどうにかなりそうだったけど




その手を、隣に座った先輩がギュッと握りしめくれたから





向き合う勇気をくれた。








「…なぎささん…キミは…」





一呼吸置いて、慎重に言葉を紡ぎ出す。





「…私は、辻恵の娘です。旧姓は、立川ですけど。」






「…すぐにわかった。本当に…ケイにそっくりだ、」









お母さんの方が綺麗だけど…。





どこか懐かしむようにあたしの顔を見る。








「それじゃあ…キミは辻隆平くんとケイの子どもか…。」












…え。





知らないんだ、この人……。





ショックなのか無意識に先輩と握る手に力が入る。







「なぎさの父親は、田辺さん、あなたですよ。」















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