まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
先輩の言葉が理解出来なかったのか、一瞬にして穏やかだった龍月さんの表情が固まる。
「まさか…いや…どういうことだい……?」
「そのまんまです。なぎさはケイさんと田辺さんの間に出来た子です。
でも隆平さんはずっとなぎさを自分の子として育てていました。なぎさが中1の時に…2人とも亡くなったけど…!」
「……なんだって!?死んだ!?2人が…!?」
「知らなかったんですか…?」
誰も知らせなかったんだ。
事実を把握したのかその場に立ち尽くす。
「ケイが…死んでいた……。」
その言葉を反芻して顔を青くした。
手術室の中から機械音が漏れていた。
「なぎささんが…僕の、子ども?皐月の友達が…?それは…本当、かい?」
「はい………今さら、困らせてごめんなさい…っ」
足の指先まで力が入る。
力を入れていないと、緊張で、切なさで
座っていられなくなりそうだった。