まっすぐなキミにまっすぐな愛を。
しばらく黙り込んだ先輩。
あたしのベッドのわきに置いてある洗面器やタオルをみて
あたしをみて
玲佳先輩をみて
眉間に見事なしわを寄せた。
「………テツか。」
ぼそりと呟いた先輩はしてやられた、と大きくため息をつく。
「…テツ先、輩に騙されたんだー…?」
「…あぁ。」
…なるほど。
おおかたテツ先輩に挑発されたわけですね。
あの人に伝言は失敗だったか…。
まぁいっか。玲佳先輩よこしてくれたし。
だいぶ助かった。
「松崎、ありがとな。なぎさの面倒見てくれて。」
「いいのよー、じゃあ立石くんも来たことだし帰るわー。あとはよろしくね♪」
そう言って玲佳先輩は帰って行った。
…最近迷惑かけっぱなしだ。
今度はお菓子でも作ってあげよ。
「…で、なぎさ。」
「うん?」
「なんで俺にもっと早く言わなかった?心配するだろうが。」
あー…それね。
「まさにそれ、先輩が心配して試合に集中しないのがやだったから。あたしで頭いーっぱいになっちゃうでしょ?」
この状況に次第に頭がさっぱりしてきたからスルスル言葉が出てきた。
ちょっと楽になったなー。