まっすぐなキミにまっすぐな愛を。



我ながら大胆な発言だったけど

それ以上に先輩といたかった。


この温かさから離れたくなかった。



「え…いいのか?

辻こそご両親は…

いや、何でもない。
お邪魔しようか。」



真面目な先輩のことだから渋るかなって思ったけど

案外あっさり頷いてくれた。



…先輩はすごい。

あたしの少しの表情の変化でさえ読みとっちゃった。


優しさに涙が出そう。



「じゃあ早く行きましょう!

あたしの家もうすぐなんでっ」



不思議だよね。


この前までは一緒にいるのが
あんなに緊張して落ち着かなかったのに


少しでも長くいたいなんて思ってる…。



先輩の腕をとり引っ張って歩いた。


前を歩かないと

涙目に気づかれるから…。




「そんなに急ぐな。
俺は逃げないぞ。笑

ほら、それ貸せ。」



ふっと笑って嫌な顔をせずに着いてきてくれる先輩はカバンまでもを持ってくれた。



涼ちゃんにもしてもらってるはずなのに…


どうしよう、すごい嬉しい。





< 39 / 387 >

この作品をシェア

pagetop