まっすぐなキミにまっすぐな愛を。




何か他のことを考えたくてテレビをつけた。


バラエティーを見てるけど…全然頭に入らない。


隣の先輩にばっかり意識が向く。



クッションをギュッと抱きしめながら見つめているとそれまで前を見ていた先輩がふいにあたしを見た。


―バチッ…


絡む目線が妙に熱っぽくて

耐えられずに目を背けた。



「…そろそろ帰るな。
飯、ご馳走様…旨かった。」


気づくともう11時前だった。


慌てて立ち上がり見送る準備をする。



「じゃあな、また学校で。」



玄関先で先輩とはバイバイ。


当たり前のことなのに…

どうしよう。


すごく、すごく寂しい。



1人には慣れてるはずなのに…。


「さようなら…。

食べてくれてありがとうございました。」



閉まった扉をみて深いため息をはく。



…あぁ、嫌な別れ方しちゃった。


一度も…目も合わせられずに。



先輩のいなくなったこの場所に
泣きたくなる。



「あたし、どうしちゃったの…?」




どうしょうもないくらいの寂しさ。






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