理事長やってマス!!!
✩「1冊のアルバム」
挨拶を交わしたのはいいけど。。。
桐谷君・・・、めっちゃ美形だなァー・・・。
と、見とれていると
「何? 姉さん。僕の顔に何かついてる?
てか、顔赤くない?? 大丈夫???」
うわッッ!!! なんちゅぅ優しいの!?
顔が赤いのは自分でも分からなかったけど。
あたしってば、面食いだなw
とりあえず、部屋に戻ろうかな。
「じゃぁ、桐谷君、また後でねw あたし、記憶喪失みたぃだから分かんないとこたくさんあると思うけど、よろしくね。」
そう、桐谷君に伝えると
「大丈夫。分かんないとこあったら聞いて。」
「うんw」
桐谷君は、お父さんに似ていて優しい。
つか、あたし似てない。。。
お母さんに似たのかな???
ぶつぶつ言いながらも部屋に戻る。
「はぁ。疲れた・・・。」
そぉ言いながらベッドに飛び込んだ。
ふかふかのお布団。
優しい匂いに落ち着いてあたしはいつの間にか、眠りについていた。
数時間たってから・・・
「愛!!! 起きなさい。もう8時だぞ。」
お父さんの起こす声。
「ん・・・。ごめんなさぃ・・・。」
一応謝ってあたしは起きた。
時計を見ると、4時間経っていた。
「ご飯だから下においで。」
「はい。」
そう言ってあたしは階段を下りる。
「いただきます。」
それはとても豪華なご馳走。
お父さんが作ったんだって。
色取りが上手なご飯。。。
ん?? なんで、お父さんが作ってんの???
1つの疑問が生まれる。
不思議な顔をしていたあたしにお父さんは気付いて
箸をおいた。
「あぁ。。。 愛には話さなきゃな・・・。」
たぶん、お母さんの事だろう。
「お母さんの事でしょ?」
思わず口が動く。
「あぁ。」
お父さんは申し訳なさそうな顔をして下を向いている。
「お父さんとな、お母さんは離婚したんだ。」
・・・離婚。よくあること。
悲しいけど涙が出てこない。
というか、ほんとに悲しいのかも分からない。
この胸騒ぎは???
「これからは、お父さんが守るからなw」
「うん。ありがとぅ。」
「じゃぁ、もう一回。いただきます。」
そう話おわってから、色んな話をした。
桐谷君の学校。
お父さんの仕事場。
それと・・・あたしの話。
あたしが落ち着くまで学校に行かないこと。
家で安静に過ごし、勉強もすること。
そんな決まりごとを話あった。
その週間になれて、ようやく2ヶ月が経つところだった。
「行ってらっしゃい。2人とも。」
「うん。行ってきます。じゃぁな~。」
そう、言ってあたしは2人を見送る。
あたしはいつものよぅに家事をしてから勉強に取り掛かる。
そう、この日があの事を思い出してしまう1日だと気付かずに。。。
「後は・・・お父さんの部屋も掃除しなきゃ。」
階段を上ってお父さんの部屋に入って、掃除をする。
あたしは綺麗好きなのか、すみずみまで掃除をする。
本棚を掃除しているとき、何かに気付いた。
それは、大事そうにしまってあるダンボール。
その中には大きい可愛らしいアルバム。
「可愛いなぁ。 ぁ、あたしの小さい頃のアルバムとか?」
なんて、笑いながら言って
あたしはアルバムを開く。
そこには・・・!!!
「こ・・・これ。。。」
そぅ・・・。そこに載っていたのはあたしにそっくりな女の子。
あたしなのは分かる。。。
けど、ここに写っているのは今のお父さんではない。
ドクン ドクン、、、
「も、、、もしかして。」
そう、これはあたし。
あたしのアルバム。
バタン・・・!!!
あたしは倒れた。
記憶喪失になんてなりたくなかった。
お父さんとお母さんを一瞬でも忘れてしまった。
あぁ・・・。 あのときの事も今ではトラウマだけど。
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~桐谷side~
「ただいまー。」
僕は玄関に入る。
あれ??いつもなら、姉さんが迎えにきてくれるのに??
寝てるのかな???
僕は階段を上る。
すると、お父さんの部屋の扉が開いていることに気付く。
姉さん、掃除してるのかな???
部屋に入ると、そこには姉さんが倒れていた。
「・・・!姉さん!!!」
返事が返ってこない。
近くまで寄ってみると、姉さんが泣いて何かを抱いていた。
「こ、れは・・・・。 ッ!!!姉さん、気付いて・・・?」
何か・・・とは、アルバム。 姉さんのアルバム。
そぅ。姉さんは本当の家族ではない。
そのことに触れてしまったんだね。
急いで親父に電話をする。
姉さんは意識を失っているだけで息はしていたから大丈夫。
でも、心は大丈夫じゃないと思う。
10分かして、親父が帰ってきて、
すぐ、姉さんが寝ているベッドに行く。
「ごめん。ごめんな。愛・・・。」
そう言い続ける親父。。。
僕はそれをじっ・・・と見ていた。