幸せとレモン

 「悠斗?私も大好きだよ。だからひとつ聞いていい?」


 『なに?』

  「悠斗の服のポッケに、これが入ってた」


 そう言って私はネックレスを見せた。


 「誰のなの?」


 『・・・ばれちゃったか・・・』

 「何?」

 『実は、それモトカノのなんだ・・・そいつとは、結婚する約束までしてた。けど、そいつは今はいない。死んだんだ。そのネックレスは、俺がそいつにあげたもの。入院してるときにな、「私はもう悠ちゃんと一緒にいられない。だから、これは、別の。私じゃない悠ちゃんを愛してくれる人、悠ちゃんの好きな人にあげて。今までありがとう」って・・・とうぶんは好きな子なんてできなかった、女ができても好きになれなかったんだ。そいつが忘れられなかったら・・・・でも、瑠菜に出会った。瑠菜の目はみんなと違った。明るく振舞ってるけど、悲しい目をしてた。でも輝いていた。あいつの目に似てた。』

 
 「・・そうなんだ・・・ごめんね・・・何も知らなくて・・・」

 『いや・・不安にさせて悪かった。俺は天国にいるあいつと関係なく瑠菜を愛しているから。』
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