Fine Like This
普通ならば


志望校に


合格して


これから始まる


バラ色の高校生活に


胸踊らせてしかるべきであろう


この春の日に


僕は相変わらずの


冷めた表情で


陸上部への入部届を


提出するため


職員室を訪れた




職員室は


中学までのそれと異なり


より広く


より雑然としていた




その時僕は


誰が陸上部の顧問なのか


全く知らずに


ここを訪れていた




とりあえず職員室にいけば


なんとかなるだろうと


思っていたのだが


もともと対人能力の低い僕は


先生達に話しかけることすら


躊躇してしまい




入部届の提出という


ごく簡単な


ミッションすらこなせずに


職員室の入り口で


しばし立ちすくんでいた




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