通りすがりの日々


「よっおはよう。」
運転手は中学時代の
同級生
それも犬猿の仲
だった奴、喧嘩ばかり
してて一緒に先生に
殴られた程最悪な相手


「お・おはよう」

声が引き吊るよ~
なんであんたが私に
声を掛けるんじゃい!


「どこ行くん?」
平然と、まるで何も
無かったように
質問してくる姿を見て
どんどん私は声が裏返る


「えっ駅まで、もう電車の時間に間に合わないからのんびり行こうかと思って。」


「駅なら丁度俺も向かう所だから乗ってけよ」


(ヒーッ何言ってるのこの人は!)


「いや良いから」
今度は逆に私の返事を
遮られて


「早くしろよ」

指で回って来いと
合図をされて

(相変わらず強引な奴)
断り切れずにスゴスゴ車に乗り込んだ。


「これから会社か?」

「うん、もう間に合わないけどね。」

「変わらず朝は弱いんだなハッハッハ」


「努力は、してんだけどさっ」


まるで、あの学生の頃が嘘のように話す。
気が付いたんだけど、
蟠りを持ってたのは
私だけだったみたい
(反省)


「駅になんの用なの?」逆に質問してみた。


「先輩がこっちに来るってんでお出迎え。」

「優しいじゃん。」

「俺は昔から優しいの」

(うっそ~ビックリ!)

「知らなんだ」
叫んでしまった。


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