通りすがりの日々



「あっここまでで良いよ、もしかしたら電車に間に合うかも知れないよ。サンキュー。」

駅が見えた宮砂は、慌てて言い放った。

「おうっ!間に合うと良いな。」

「うん、凄く助かっちゃった。」

車を降りて満面な笑みを浮かべて素直にお礼を言う宮砂の後ろから声がした。


「おせーぞ!」


驚いて「えっ?」

振り向いた宮砂は
振り向いた後も

「えっ?」


「済みません、知り合いに会ったもんで。」


目を丸くして声をかけた人を見てる宮砂を無視して運転手に話してるこの人は、まさしくシャバケたGパンを履いていた人だ。


(お・驚き!この2人は知り合いなんだ)


2人のやり取りを背中に聞きながら、宮砂は駅に吸い込まれるようにその場を離れた。

と言うより、
なんだかバツが悪いし気づかれないように離れた方が無難なような空気が流れた。


(あの2人あれからどうするんだろう)



ギリギリ間に合った電車の中は満員、押しつぶされないように吊革をしっかり握る。


偶然て言うのは重なるもんだなって初めて思ったよ、それも朝から2回もオマケにもっとも会いたく無かった人達に会うとはね。


なんだか逆におかしくて会社に着くまでニヤニヤしてしまう自分が又おかしかった。



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