通りすがりの日々
宮砂の朝は、相変わらず慌ただしい。
一度味をシメると次もないかしらって期待しちゃうけどこれが無いんだよね、ちっとも車のクラクションの音を聞かない。
(期待するのが間違いか、もう無理ね。)
なんて思いながら
スタスタ歩いていると
又前に変な人発見。
今度は橋の欄干に
身体を半分乗り出して
何やら川の真下を覗き込んでる。
(ゲッ!又おかしな格好をしてる人が…こりゃ反対側の道を歩いた方が良さそうだ。)
そそくさと橋の道路を
横切ろうとしたが、
やっぱり声を
かけられてしまった。
「やぁ!」
んっ聞き覚えの有る声だわ、良く見るとGパン野郎だった。
つくずくタイミングが変わってる人だ。
「あっ!おはようございます。」
歩いてる早さは
変わらない、
この場は挨拶だけで
通り過ぎようと決意。
「ちょっと手を貸してくれないか?」
(またかいな!
今度は何?)
「どうしたんですか?」
憮然として聞いたら
元に戻れないと言う。
流石に焦った私は
彼の手を取り引っ張りあげた。
「ありがとう。又助かったよ」
満面な笑みを
又浮かべる。
「何してたんですか、下手をすると橋から落ちますよ!」
「橋の裏が、面白いんだよ」
(感覚が分からない。)