通りすがりの日々
「何を店員とモメてたんですか?」

「たいした事じゃ、ないんだけど袋を分けて貰いたかったんだよ。」

「初めに言えば良かったじゃないですか?」

「聞きもしないで無言でジャカジャカ袋に詰め込んだんでね、一言言ってやろうかと思って。」


(大人げないな~)
「で、分けてもらったんですか?」

持ってる袋をチラッと見たら1つしか持ってない様子。


「君を見つけたんで、
いいよって言って
出てきたんだ。」

笑顔で宮砂をみる。

(素直に笑うな、
なんだかこっちが
照れてしまうわ)

「本当に大丈夫ですよ
私は…。」


「こう何度も格好悪い姿を見られちゃ、先に先手を打たなきゃクールに決められないだろ。」

「もう無理だと
思います。」


宮砂も思わず笑いながら答える。


誰かと話しながら
歩くなんて
久しぶりかも、
いっつもスタスタ
歩いてたもんな。


家までの帰り道、
ちょっと楽しい♪



夜道を何時もと違う歩幅で歩いてる、ううん
同じかも。
宮砂の歩く早さに併せて歩いてくれてる。


ちょっとした
心使いが嬉しいね。


< 16 / 27 >

この作品をシェア

pagetop