通りすがりの日々



「こんばんは」
後ろから声がして
振り向いたら
Gパン野郎だった。


「こんばんは、
今夜は食事に
誘ってくれてありがとうございます。」

一応深々と挨拶して笑顔を見せる。

「さっそくだけど食事に行こうか、何処か行きたい店とか有るかな?」


「チェーン店の居酒屋が良いんですけど、ダメですか?」


「構わないよ、じゃぁ居酒屋にしよう」


「ありがとう
ございます。」


ふと見ると、鞄から何やらごそごそと探している様子だけど何を探してるんだろう?。


「有った有った
今更だけど私は、こう言う者です。」

探してたのは
名刺だった。


渡されて名刺を見ると
『フリーカメラマン』
と書いて有った。

(ああ!この間の桜を撮りたかったのは本当だったんだ)
名刺を見せて貰って改めておかしくなった。


名前は『倉森 景』
と書いて有る


「くらもりけいさん?」
「はい、いかにもくらもりけいです、けいって呼んでください。」
にこやかに話す。


「私は名刺なんて持って無いんですけど名前は
園江 宮砂と言います。そう言えば私も名前を言ったのは、今日が初めてですね。」

「そう言えば知らなかったよ、宮砂ちゃんか!
よろしくね。」


右手が出てきて握手を求められた、他人行儀みたいだったけど握手しない方が変だし
受け入れて握手した。


駅前だと誰が見てるか解らないからやっぱり照れくさいね。



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