星空歌
余命1年
受付をさっさと済ませ、15分くらいロビーで座って待っていると
「長瀬弘人様。長瀬弘人様。3番診察室までお越しください。」
とアナウンスが鳴った。
「あっ。行こっか。」
私が立ち上がって3番診察室と書いてあるプレートのかかった部屋へ歩いていくと、ヒロに腕をつかまれた。
「え・・・?」
「俺が行く。もう高2だぜ?」
そういってヒロは一人で分厚い診察室の扉の奥に消えていった。
それから30分たっただろうか
ヒロはまだ診察室から帰ってこない。
どうしたのかなぁ・・・
なーんて心配してたら目の前に若そうな看護士さんが来た。
「あの・・・、長瀬弘人様の彼女様ですか?」
看護士さんはちょこんと首を横に傾けて聞く。
「あ、はい。佐々原星奈です。」
あ、名前は聞かれてなかった。と言った後に思う。
「えっと、先生がお呼びですよ」
看護士さんはニコッと笑うと、私を《面談室1》と書かれたプレートの下がっている部屋に案内してくれた。
コンコン。
「どうぞ~」
優しそうなおじさんの声が聞こえて中に入るとそこにはヒロと医者がいた。
「あ、あの・・・」
「彼女さんですね?」
医者が笑っていう。
「は、はい」
「いっとくけどさ、こんなかわいいやつが俺以外の彼女になると思うか?」
ヒロはいつものごとくそういった。
恥ずいからやめんか!
って言ったってなぜ私があなたにそういう言動を辞めてほしいかを説明するのは池○彰でも難しいだろう。
「あの、それでどうしたんですか?」
私は無理やり(?)話を変える。
「えーっとねぇ・・・長瀬君に心臓病の疑いがあったから調べてみたんだけどね、」
だからあんなに診察が遅かったのか
「実は長瀬君、心臓病でした。今は症状が軽めなんだけど特殊なやつでね、治療ができないの。」
医者はそこでいったん言葉を止めた。
「それで・・・」
私は震える声で言った。
聞くのが怖い・・・
でも聞かないわけにはいかない・・・
そんな気持ちだった。
「余命1年・・・かな」
は?
余命1年?
ヒロが?
さっきあんなに元気だったやつが?
そう思ってヒロを見る。
いない。
帰っちゃったのかな・・・
「治療・・・何でもいいです。やってください」
私はやっと震える声で言った。
「18歳以上の治療ならあるんだけど長瀬君17歳だからなぁ・・・まだね、18歳未満の治療法は分かってないの」
「18歳以上の治療でいいです!ヒロを治してください!ヒロだって17歳ですよ!?お願いします!!!医者でしょ!?ならヒロの命救ってよ!!!」
私は泣きながら必死に懇願した。
「佐々原さん・・・だっけ?あのね、1人がルール守んないとね、皆が守んなくなる。この話だってそうだよ。17歳が大丈夫だったなら16歳、15歳・・・って皆ルールを破っていく。確かに僕たち医者は皆の命を救うのが仕事だよ。でもね、ルールを守ったうえでその中で一生懸命に命を救う。医者にとっても治療法がないからと言って人の命を見捨てるのは辛い。そこもわかってくれるね?」
医者は困ったなぁって顔をしながら説明してくれた。
「・・・・・・取り乱してすいませんでした。」
「いやいやわかってくれればいいんだよ」
医者はタオルをくれた。
「可愛いのに泣いたらダメだよ。長瀬君もきっと君の笑顔が好きだよ?」
「ありがとうございます・・・」
「それから僕の名前は牧野。覚えといてね?」
「はい!牧野先生・・・あの・・・ヒロ帰っちゃったみたいなんですけどおいくらですか?」
「え?長瀬君なら事前に説明済みだから話が始まった時から隣の部屋のベッドで寝てるよ?」
まじかwww
とか思ってたら
「おはよー。じゃ、星奈、かえろっか」
そういってヒロは私に笑いかけてくれたけどその表情は少し寂しげだった。
私は牧野先生に軽く会釈をして会計を済ませ、外に出た。
もう外は暗く、空には星が輝いていた。
「長瀬弘人様。長瀬弘人様。3番診察室までお越しください。」
とアナウンスが鳴った。
「あっ。行こっか。」
私が立ち上がって3番診察室と書いてあるプレートのかかった部屋へ歩いていくと、ヒロに腕をつかまれた。
「え・・・?」
「俺が行く。もう高2だぜ?」
そういってヒロは一人で分厚い診察室の扉の奥に消えていった。
それから30分たっただろうか
ヒロはまだ診察室から帰ってこない。
どうしたのかなぁ・・・
なーんて心配してたら目の前に若そうな看護士さんが来た。
「あの・・・、長瀬弘人様の彼女様ですか?」
看護士さんはちょこんと首を横に傾けて聞く。
「あ、はい。佐々原星奈です。」
あ、名前は聞かれてなかった。と言った後に思う。
「えっと、先生がお呼びですよ」
看護士さんはニコッと笑うと、私を《面談室1》と書かれたプレートの下がっている部屋に案内してくれた。
コンコン。
「どうぞ~」
優しそうなおじさんの声が聞こえて中に入るとそこにはヒロと医者がいた。
「あ、あの・・・」
「彼女さんですね?」
医者が笑っていう。
「は、はい」
「いっとくけどさ、こんなかわいいやつが俺以外の彼女になると思うか?」
ヒロはいつものごとくそういった。
恥ずいからやめんか!
って言ったってなぜ私があなたにそういう言動を辞めてほしいかを説明するのは池○彰でも難しいだろう。
「あの、それでどうしたんですか?」
私は無理やり(?)話を変える。
「えーっとねぇ・・・長瀬君に心臓病の疑いがあったから調べてみたんだけどね、」
だからあんなに診察が遅かったのか
「実は長瀬君、心臓病でした。今は症状が軽めなんだけど特殊なやつでね、治療ができないの。」
医者はそこでいったん言葉を止めた。
「それで・・・」
私は震える声で言った。
聞くのが怖い・・・
でも聞かないわけにはいかない・・・
そんな気持ちだった。
「余命1年・・・かな」
は?
余命1年?
ヒロが?
さっきあんなに元気だったやつが?
そう思ってヒロを見る。
いない。
帰っちゃったのかな・・・
「治療・・・何でもいいです。やってください」
私はやっと震える声で言った。
「18歳以上の治療ならあるんだけど長瀬君17歳だからなぁ・・・まだね、18歳未満の治療法は分かってないの」
「18歳以上の治療でいいです!ヒロを治してください!ヒロだって17歳ですよ!?お願いします!!!医者でしょ!?ならヒロの命救ってよ!!!」
私は泣きながら必死に懇願した。
「佐々原さん・・・だっけ?あのね、1人がルール守んないとね、皆が守んなくなる。この話だってそうだよ。17歳が大丈夫だったなら16歳、15歳・・・って皆ルールを破っていく。確かに僕たち医者は皆の命を救うのが仕事だよ。でもね、ルールを守ったうえでその中で一生懸命に命を救う。医者にとっても治療法がないからと言って人の命を見捨てるのは辛い。そこもわかってくれるね?」
医者は困ったなぁって顔をしながら説明してくれた。
「・・・・・・取り乱してすいませんでした。」
「いやいやわかってくれればいいんだよ」
医者はタオルをくれた。
「可愛いのに泣いたらダメだよ。長瀬君もきっと君の笑顔が好きだよ?」
「ありがとうございます・・・」
「それから僕の名前は牧野。覚えといてね?」
「はい!牧野先生・・・あの・・・ヒロ帰っちゃったみたいなんですけどおいくらですか?」
「え?長瀬君なら事前に説明済みだから話が始まった時から隣の部屋のベッドで寝てるよ?」
まじかwww
とか思ってたら
「おはよー。じゃ、星奈、かえろっか」
そういってヒロは私に笑いかけてくれたけどその表情は少し寂しげだった。
私は牧野先生に軽く会釈をして会計を済ませ、外に出た。
もう外は暗く、空には星が輝いていた。