醜女と呼ばれた姫





 自分も、嫁いだ若草のような幸せがほしい。



 だが、と思う。



 世間で美人と称されるものからは掛け離れ、しまいには醜女などと笑われる。


 どうしてそんなことを言われなくてはならないのか。私は、何もしていないのに。





 涙が出そうな顔を扇でかくし、うつむいていると、ひそひそと話す声。



 それに耐え切れず、その部屋を出て行った。


 控えていた女房もまた、慌てて私を追って来る。





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