追いかけて繋ぐ恋
「知らないの?」


「何を?」


「由衣さんが亡くなっていること」


「えっ?」


「去年、事故で亡くなったんだよ…」


「嘘…だろ?」


宮下くんは頭を抱えた。


「マジかよ?」


確かめるようにもう一度聞いた。


私は大きく頷いた。


「だったら…もう想っていても無理だよな?あいつ何で前に進まない?」


それはまだ好きで、責任を感じているから…


宮下くんは初めて知ったことに呆然としながら、吉永くんの家に向かって行った。

私は宮下くんの後ろ姿を眺めていた。


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