追いかけて繋ぐ恋
私は帰ろうと薫さんに挨拶した。


「待って!あたしも今日はこれで終わりだから一緒に帰ろうよ」


塾と吉永くんのマンションの距離は徒歩5分くらい。

マンションの前に来たので「さようなら」と頭を下げた。


「寄っていって!」


腕を掴まれた。


えっ…


寄ったら、吉永くんに会うかもしれない。

かなり気まずい。


私は断ったけど「いいから、いいから」と強引に連れて来られた。


薫さんは吉永くんちのドアを開けて、「ただいま~」と大きな声を出す。


ドタドタ~

「ママ、おかえりなさい」


快くんが満面の笑顔で薫さんに抱きついた。
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