追いかけて繋ぐ恋
昼休みが終わる頃に悠希が戻ってきた。


「ねえ、いつも昼休みはどこに行っているの?」
前から思っていた疑問。


「ん?秘密」

ニヤリと笑った。

秘密ってなんだか怪しい言い方。

でも、秘密と言われるとそれ以上聞けなくなってしまう。


知りたいことはいろいろあるのにな~。



帰り道…

私が歩いていると「さいなら~」悠希が自転車で横を通って行った。

あ…


「悠希!」


思わず呼び止めてしまった。


「何?」

自転車を止めて、振り返る。

何のために呼び止めたのだろう。


「えっと、バイバイ」

ただ手を振って、挨拶するしかなかった…。


「は?ああ、バイバイ」

首を傾げて、再び自転車で走って行った。
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