追いかけて繋ぐ恋
前、昼休みに悠希を探していて、宮下くんに会った時に知らないかと聞いたことがある。

それを宮下くんが伝えたということかな。


「最近は探してなかったよ。諦めていたし…」

「ふ~ん」


ふ~んって…会話終了?


聞きたいことを思い出したけど、授業が始まってしまった。


放課後、さっさとカバンを持って席を立つ悠希に急いで声を掛けた。

「待って」

「ん?」

「一緒に帰らない?」


一緒に帰ろうと誘うことが、今の私にとっては精一杯のことだった。


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