追いかけて繋ぐ恋
「おー!」

「すげー」

「かっこいい」

「何者?」


教室は騒がしくなった。

みんなが吉永くんを見る。

拍手をする人もいた。


「静かにしろ!」

先生は吉永くんが解いた問題を消し、次の問題を書いた。


「吉永の後ろの綿谷!これを解きなさい」


「え~」
私は立ち上がった。


さっきのより難しいのですが…

「早く前に出て」

しぶしぶ前に出る。

こんな問題…

全然分かりません。
お手上げです…。


私は問題を見たまま、動けなかった。


「おい、今までちゃんと授業受けてたのか?寝てたんじゃないだろうな」
嫌みを言われる。


皆が注目している…。

恥ずかしくて、俯くしかなかった。


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