追いかけて繋ぐ恋
はあ~と大きく溜め息を付いた宮下くん。


「明日、持ってくるよ…悠希と楽しく試合したくて持ち出した話だったけど、絶対勝てると思ったのに…」

ぶつぶつ不満を言い出した。


そんな宮下くんの様子がおかしくて私と吉永くんは笑った。



勝ち進んだバスケの次の試合は決勝戦だった。

相手は3年生。


写真集を手に入れた吉永くんはやる気がすっかりなくなっていた。

だるそうにゴール近くに立ち、パスされたボールだけをシュートしていた。


吉永くんにパスするまで他の男子は必死に走り回っていた。


しかし


一番の上手い人が動かないから…


あっさりと負けた。


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