追いかけて繋ぐ恋
「こら、宮下!廊下を走るな!」

「うわ~ごめんなさい!」

先生に怒られていた。

いつも元気だな~。


玄関を出て、門へと吉永くんが歩いて行くのを私は追った。


「あれ?今日は歩き?」

「今朝、雨がすごかったから歩いてきた」

「そうなんだ」


傘をたまにブンブン振り回す吉永くんは無言だった。

何か話したいと思うのだけど、何を話していいか分からなくて、私も無言で歩いた。

信号が赤で止まると吉永くんは空を見上げた。


雲が少し切れていて、青空が見えた。
それを見て、ブルーを思い出した。

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