追いかけて繋ぐ恋
バスに乗って、先に乗った吉永くんの姿を探した。


いた、いた。


思わず顔がにやけそうになった。


吉永くんは二人掛けの椅子に座り、隣りに荷物を置いていた。

他に空いてる席があったけど、その席の横に立った。


「吉永くん…」

声を掛けると携帯をいじっていた吉永くんは私を見た。


「朋花」

一瞬ビックリしてたけど、横の荷物を自分の膝の上に置いて「座れば」と言った。


私は「ありがと」遠慮なく横に座った。


「さっきお店の中で吉永くんを見かけたのだけど、声掛ける前にどこかに消えちゃって…」

「ほんと?」

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